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不動産

不動産の帯替え・物件入力を自動化する方法 — ポータルサイト別の対応まとめ

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この記事のポイント

帯替え1件5分、物件入力はポータルごとに二重三重。手動・外注・システムのコスト比較と、ポータル別の自動化対応状況を整理した。

不動産仲介の現場で、地味に時間を食っている作業がある。帯替えと物件入力だ。レインズで拾った図面の帯を自社に差し替え、それをSUUMOやアットホームに1件ずつ手入力する。どちらも単純作業なのに、積み重なると膨大な時間になる。

この記事では、帯替え作業の時間コストの実態と、ポータルサイトごとの物件入力の自動化方法を整理する。既存記事で触れた物件入力の時間や外注コストとは別に、帯替えに焦点を当てつつ、ポータル別の対応状況をまとめた。

帯替え作業に1件5分 — 1日20件で100分が消える

帯替えとは、他社が作成した物件チラシの帯部分(会社名・連絡先・免許番号が入った帯状のエリア)を自社の情報に差し替える作業のことだ。レインズや元付業者から受け取った図面をそのまま使うわけにはいかないので、営業担当や事務スタッフが1枚ずつ加工している。

作業自体は単純だが、1件あたり5分前後かかる。画像ソフトで帯を消して、自社のテンプレートを貼り、保存してフォルダに格納する。これを1日20件こなすと約100分。月20営業日で計算すると、月間33時間以上がこの作業だけに消えている。

年間に換算すると約400時間。時給2,000円の事務スタッフが担当しているなら、年間80万円分の人件費に相当する。営業担当がやっているなら、その時間は本来の顧客対応や内見に充てられたはずの時間だ。

ポータルサイト別・物件入力の現状と自動化方法

帯替えが終わったら、次は各ポータルサイトへの物件登録だ。SUUMO、アットホーム、ホームズの3大ポータルに同じ物件を登録するケースが多いが、それぞれ管理画面の仕様が違う。以下にポータル別の入力方法と自動化手段をまとめた。

ポータル手動入力の特徴自動化手段備考
SUUMO専用管理画面から1件ずつ入力。項目数が多く1件10〜15分CSV一括入稿に対応。物件管理システムからの連携も可能CSV仕様は定期的に変更あり。フォーマット確認が必要
アットホームATBB(不動産業務支援サイト)経由で入力。写真登録に手間がかかる不動産データ連動基盤(API)あり。いえらぶ等の管理システムと連携可API利用にはアットホーム側の審査・契約が必要
ホームズ管理画面から入力。物件種別ごとに入力フォームが異なるCSV入稿対応。物件コンバートシステムでの一括連携も可写真枚数の上限や画像サイズの制約に注意

3つのポータルに同じ物件を登録する場合、手動だと1件あたり合計30〜45分かかる。月に50件の新規物件があれば、入力作業だけで月25〜37時間だ。帯替えの33時間と合わせると、月60時間以上が「入力作業」に消えていることになる。

帯替えを自動化する3つの方法

1. 外注(1件15〜30円)

クラウドソーシングや不動産事務の専門外注先に帯替えを依頼する方法。1件15〜30円が相場で、月500件でも7,500〜15,000円に収まる。納品まで半日〜1日かかるケースが多いため、急ぎの物件には向かない。

外注先によって品質にばらつきがあるので、最初は少量でテストしてから発注量を増やすのが無難だ。フォーマットの指定書(帯の位置、フォント、ロゴデータ)を用意しておくと修正の手戻りが減る。

2. テンプレート化(Canva等で型を作る)

CanvaやPowerPointで帯のテンプレートを作っておき、図面画像の上に重ねる方法。テンプレートを1つ作れば、あとは図面を差し替えるだけなので1件2〜3分に短縮できる。

導入コストはほぼゼロ。ただし図面のサイズやレイアウトが物件ごとに異なるため、帯の位置調整は手動で行う必要がある。物件数が多い会社では、テンプレート化だけでは限界がある。

3. API連携(物件管理システムからポータルへ自動連携)

いえらぶCLOUD、リアルター、不動産Kingなどの物件管理システムを導入し、各ポータルへの入稿を自動化する方法。物件情報を1回登録すれば、SUUMO・アットホーム・ホームズに一括で反映される。帯替えも、システム上で自社テンプレートを設定しておけば自動処理される製品がある。

月額1〜5万円のランニングコストがかかるが、物件数が多い会社ほど効果が大きい。導入時にデータ移行と初期設定に1〜2週間かかるのが一般的だ。

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コスト比較テーブル(手動 vs 外注 vs システム)

帯替え+物件入力を含めた月間コストを、3つの方法で比較した。月間処理件数100件を想定している。

項目手動(自社対応)外注システム連携
帯替え(月100件)約8時間(時給2,000円で16,000円)1,500〜3,000円月額に含む(自動処理)
物件入力(月100件 x 3ポータル)約50時間(時給2,000円で100,000円)30,000〜50,000円月額に含む(一括入稿)
月額コスト合計約116,000円31,500〜53,000円10,000〜50,000円
所要時間(社内)月58時間月5時間(発注・検収)月2時間(登録・確認)
導入難易度なし低い(外注先選定のみ)中程度(初期設定に1〜2週間)

月100件以上の物件を扱う会社であれば、システム連携が最もコストパフォーマンスが高い。ただし、月30〜50件程度の規模なら、外注とテンプレート化の組み合わせでも十分に効果がある。大事なのは、自社の処理件数を正確に把握したうえで判断することだ。

まとめ — まず「二重入力」をなくすことから

帯替えと物件入力は、どちらも「やらないと業務が回らない」のに「やっても売上には直結しない」作業だ。だからこそ、できるだけ自動化して、その時間を顧客対応や内見同行に振り替えたい。

いきなりシステムを導入する必要はない。まずは以下の3ステップで進めるのが現実的だ。

  1. 月間の帯替え件数と物件入力件数を1週間だけ記録する
  2. 帯替えはテンプレート化、物件入力は外注で試してみる
  3. 件数が増えてきたら物件管理システムのポータル連携を検討する

同じ情報を複数の画面に何度も入力している「二重入力」が残っている限り、どれだけ頑張っても時間は増えない。まずはその二重入力を1つずつ潰していくことが、業務効率化の最初の一歩になる。


SalesDockでは、不動産会社の帯替え・物件入力の業務フローを棚卸しして、外注化やシステム連携の設計を支援している。「どこから手をつければいいか分からない」という場合でも、まずは現状の作業量を一緒に整理するところから始められる。

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 不動産・製造業・クリニックなど現場産業向けのAI業務効率化コンサルを提供。 30社以上の中小企業のAI活用・業務改善を支援。

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