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不動産

不動産会社が使えるIT導入補助金 2026年版 — 申請の手順と対象ツールまとめ

通常枠は補助率1/2以内、インボイス枠なら最大4/5 — 枠ごとの違いを整理した

最終更新 2026年8月12日10分で読める

「業務を効率化したいけど、システム導入にお金をかける余裕がない」—不動産会社の経営者からよく聞く言葉だ。物件管理や顧客管理をExcelで回していて、そろそろ限界を感じている。でもCRMを入れると月額数万円、初期費用も含めると100万円を超える。手が出ない。

そんな会社にこそ知ってほしいのが、国の補助金制度だ。2026年度から「IT導入補助金」は「デジタル化・AI導入補助金」に名前が変わり、AI活用も補助対象に加わった。不動産会社でも使える。この記事では、不動産会社が実際に使える申請枠・対象ツール・スケジュール・申請の流れを整理する。

2026年、IT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金」に変わった

2025年度まで「IT導入補助金」と呼ばれていた制度が、2026年度から「デジタル化・AI導入補助金」に名称変更された。

変わったのは名前だけではない。従来はITツールの導入が主な対象だったが、2026年度からはAIを活用した業務自動化・省人化も補助の対象に明確に含まれるようになった。

不動産会社にとっての意味は大きい。物件入力の自動化、反響対応の仕組み化、査定業務の効率化など、AIを使った業務改善にも補助金が使える可能性がある。

出典・一次情報

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不動産会社が使える申請枠と補助額

2026年度の補助金には複数の申請枠がある。不動産会社に関係が深いのは主に3つだ。

通常枠

生産性向上のためのITツール導入を支援する、最もスタンダードな枠。

項目内容
補助上限額最大450万円
補助額業務プロセスが1〜3つまで 5万〜150万円 / 4つ以上 150万〜450万円
補助率1/2以内(最低賃金近傍の事業者は2/3以内)
対象経費ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)・導入関連費
不動産会社での用途例物件管理システム、顧客管理CRM、業務自動化ツール

なお、「50万円以下の部分は3/4、小規模事業者は4/5」という補助率をよく見かけるが、これはインボイス枠(インボイス対応類型)の数字で、通常枠には適用されない。通常枠で10万円のツールを導入する場合、自己負担は5万円になる。資金計画を立てるときはここを取り違えないようにしたい。

インボイス枠(インボイス対応類型)

インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフトの導入を支援する枠。不動産仲介の経理業務で、まだ手作業で請求書を作っている会社には特に使える。補助額はITツールが最大350万円(保有する機能が1つのみなら最大50万円)、PC・タブレット等が最大10万円、レジ・券売機等が最大20万円。補助率はITツールの補助額が50万円以下なら3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、50万円超350万円以下なら2/3以内、PC・タブレット・レジ等は1/2以内。

セキュリティ対策推進枠

顧客の個人情報を大量に扱う不動産会社にとって、情報漏洩対策は経営リスクの一つ。この枠でセキュリティソフトの導入費用を補助できる。補助額は5万〜150万円、補助率は1/2以内(小規模事業者は2/3以内)。

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不動産会社で補助対象になるツールの具体例

「うちの会社で使いたいツールが対象になるのか?」が一番気になるところだと思う。不動産会社でよく使われるツールの中から、補助対象になり得るものを整理した。

ツールの種類具体例用途
物件・契約管理システムいえらぶCLOUD、日本情報クリエイト物件情報の一元管理、ポータル連携
電子契約ツールクラウドサイン、いえらぶサイン重説・契約書の電子化
顧客管理・CRMSalesforce、kintone反響管理、追客の仕組み化
会計ソフトfreee、マネーフォワード仲介手数料管理、インボイス対応
業務自動化ツールGAS連携、スプレッドシート自動化KPI集計、通知、レポート自動生成

補助対象になるには「IT導入支援事業者」として登録された事業者が提供するツールである必要がある。導入を検討しているツールが登録済みかどうかは、公式サイトのITツール検索で確認できる。

スプレッドシートをベースにした業務自動化(GAS連携、API連携など)も、IT導入支援事業者を通じて導入すれば補助対象になる可能性がある。高額なCRMを入れなくても、まずスプレッドシートで仕組みを作り、補助金で費用を抑えるという選択肢もある。

申請スケジュール(2026年版)

2026年度は複数回の締切が設定されている。主なスケジュールは以下の通り。

スケジュール日程
募集開始2026年3月30日(月)
1次締切2026年5月12日(月)17:00
交付決定(1次)2026年6月18日(水)予定
事業実施期限交付決定〜2026年12月25日(金)

逆算すると、5月12日の1次締切に間に合わせるには、4月中にはIT導入支援事業者との打ち合わせを済ませておく必要がある。gBizIDプライムの取得に2週間ほどかかるので、今すぐ動き始めるのがちょうどいいタイミングだ。

申請の流れ — 5ステップ

ステップ1:gBizIDプライムを取得する

経済産業省の補助金申請に必要な法人共通のアカウント。取得には約2週間かかるので、まだ持っていない場合は真っ先に手続きしておく。

ステップ2:IT導入支援事業者を選ぶ

補助金を使ってツールを導入するには、「IT導入支援事業者」として登録された事業者を通す必要がある。導入したいツールを扱っている事業者を公式サイトで検索して選ぶ。

ステップ3:交付申請を出す

IT導入支援事業者と一緒に、導入するツール・費用・生産性向上の計画を記載した申請書を作成して提出する。

ステップ4:ツールを導入して運用する

交付決定を受けてから、ツールの導入・設定・運用を行う。交付決定前に導入してしまうと補助対象外になるので要注意。

ステップ5:実績報告を提出する

導入後、実際にかかった費用や運用状況を報告する。これが完了すると補助金が支給される。

不動産会社がよくつまずく3つのポイント

「ITツール一覧に載っていないツールはダメ?」

基本的には、公式サイトのITツール検索に掲載されているツールが対象になる。ただし、IT導入支援事業者が新たにツールを登録することも可能なので、使いたいツールが掲載されていない場合は、まず支援事業者に相談してみる価値がある。

「売上目標の数値計画が書けない」

申請書には、ツール導入によってどれだけ生産性が上がるかの計画を記載する必要がある。「物件入力にかかる時間を月20時間から5時間に削減」「反響対応の初動を3時間から30分に短縮」など、具体的な数字を入れると通りやすい。

「gBizIDの取得に2週間かかることを知らなかった」

締切ギリギリで動き始めて、gBizIDの取得が間に合わないケースは意外と多い。補助金の検討を始めたら、申請するかどうかに関わらず、まずgBizIDだけは取っておくのがおすすめだ。

まとめ — 補助金を使って「まず小さく始める」のが正解

不動産会社の業務効率化は、最初から大きなシステムを入れる必要はない。

補助金を使えば、スプレッドシートベースのKPI管理や業務自動化の仕組みを、自己負担を抑えて導入できる。まず小さく始めて、効果が出たら次のステップに進む。これが中小不動産会社にとって現実的な進め方だ。

SalesDockでは、不動産会社向けの業務効率化(KPI管理シート・案件管理・通知自動化など)を、初期構築10万円・月額保守3万円で提供している。補助金を活用した導入についてもご相談いただけるので、気になる方はお気軽にお問い合わせください。

よくある質問

不動産会社でもIT導入補助金は使えますか?

使えます。2026年度の「デジタル化・AI導入補助金」では、物件管理システム、電子契約ツール、顧客管理CRM、会計ソフト、業務自動化ツールなどが補助対象になります。通常枠で最大450万円、補助率1/2(小規模事業者は最大4/5)の補助を受けられます。

IT導入補助金2026の申請スケジュールはいつですか?

2026年度の募集開始は2026年3月30日、1次締切は2026年5月12日(月)17:00、交付決定は2026年6月18日予定です。gBizIDプライムの取得に約2週間かかるため、早めの準備が必要です。

デジタル化・AI導入補助金の補助率はどれくらいですか?

通常枠の補助率は1/2以内で、最低賃金近傍の事業者のみ2/3以内に上がります。3/4や4/5という補助率はインボイス枠(インボイス対応類型)のもので、通常枠には適用されません。インボイス枠でITツールの補助額が50万円以下の場合は3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、50万円超350万円以下の場合は2/3以内です。例えば通常枠で10万円のツールを導入するなら自己負担は5万円で済みます。

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泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に30社以上の業務改善に携わる。

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