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不動産会社が使えるIT導入補助金 2026年版 — 申請の手順と対象ツールまとめ

賃貸管理・売買仲介・買取再販で、どの枠に何が当てはまるかを公式情報で整理した

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執筆:泉 款太(株式会社SalesDock 代表取締役)累計40社以上の中小企業を支援

不動産会社が使えるIT導入補助金 2026年版 — 申請の手順と対象ツールまとめ

結論

補助金を調べ始めた段階で決めておきたいのは、どの業務を変えるかと、どの枠で出すかの2つです。この記事は2026年9月24日に公式サイトで確認した内容で、不動産会社の業態ごとに整理します。

  • 不動産会社も対象。2026年度の名称は「デジタル化・AI導入補助金」で、対象は事務局に登録されたITツールに限られる
  • 賃貸管理・売買仲介の業務システムは通常枠(補助率1/2以内)、インボイス対応の会計・請求ソフトはインボイス枠(最大4/5以内)が候補
  • 次の締切は5次の2026年9月29日17:00(9月24日時点)。GビズIDプライムとSECURITY ACTION宣言を先に済ませ、交付決定前には契約・支払いをしない

「業務を効率化したいけど、システム導入にお金をかける余裕がない」—不動産会社の経営者からよく聞く言葉だ。物件管理や顧客管理をExcelで回していて、そろそろ限界を感じている。でもCRMを入れると月額数万円、初期費用も含めると100万円を超える。手が出ない。

そんな会社が最初に確認したいのが、国のIT導入補助金だ。2026年度から名称が「デジタル化・AI導入補助金」に変わったが、不動産会社でも使える。この記事では、不動産会社が実際に使える申請枠、賃貸管理・売買仲介・買取再販それぞれで対象になり得る業務、次の締切、申請の流れを順に整理する。

2026年、IT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金」に変わった

2025年度まで「IT導入補助金」と呼ばれていた制度が、2026年度から「デジタル化・AI導入補助金」に名称変更された。運営は独立行政法人中小企業基盤整備機構で、補助対象者は中小企業・小規模事業者等。業種の限定はないので、不動産業も対象に入る。

押さえておきたいのは、補助の対象が「事務局に登録されたITツール」に限られる点だ。通常枠では、顧客対応・販売支援や会計・財務といった業務プロセスを1つ以上持つソフトウェアが要件になる。業種を問わない「汎用・自動化・分析ツール」も区分として用意されているが、単体では申請できない。

つまり「AIツールなら何でも補助される」わけではない。物件入力、反響対応、家賃管理といった業務を変えるソフトを軸に置き、AIや自動化の機能はそれに付く形で考えるのが現実的だ。

出典・一次情報(2026年9月24日確認)

制度・締切は改定されます。申請前に最新の公募要領(2026年8月28日更新版を確認)と事業スケジュールを公表元でご確認ください。

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不動産会社が使える申請枠と補助額

2026年度の補助金には複数の申請枠がある。不動産会社に関係が深いのは主に3つで、何を導入するかで枠が決まる。

お助け隊サービスを単体で入れる?セキュリティ対策推進枠1/2以内・小規模2/3以内はい会計・受発注・決済のインボイス対応ソフト?インボイス枠3/4以内・小規模4/5以内はい業務プロセスを持つ登録済みのソフト?通常枠1/2以内(条件で2/3)はい汎用ツール単体・未登録のツールは申請できない支援事業者と構成を見直すいいえいいえいいえ
枠は「何を導入するか」で決まります。補助率はいずれも上限で、実際の対象経費と補助額は公募要領と支援事業者の見積もりで確定します。

通常枠

自社の課題に合ったITツールの導入を支援する、最もスタンダードな枠。物件管理・顧客管理・賃貸管理のシステムは、主にここが候補になる。

項目内容
補助額業務プロセス1つ以上:5万円以上150万円未満 / 4つ以上:150万円以上450万円以下
補助率1/2以内(最低賃金近傍の従業員が一定割合以上の事業者は2/3以内)
ITツールの要件業務プロセスを1種類以上持つソフトウェア(汎用プロセスのみは不可)
対象経費ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)、機能拡張・データ連携ツール・セキュリティ、導入・活用コンサルティング、導入設定・研修、保守サポート

なお、「50万円以下の部分は3/4、小規模事業者は4/5」という補助率をよく見かけるが、これはインボイス枠(インボイス対応類型)の数字で、通常枠には適用されない。通常枠で10万円のツールを導入する場合、自己負担は5万円になる。資金計画を立てるときはここを取り違えないようにしたい。

インボイス枠(インボイス対応類型)

インボイス制度に対応した「会計」「受発注」「決済」の機能を持つソフトの導入を支援する枠。仲介手数料や管理料の請求書をまだ手作業で作っている会社には特に使える。補助率はITツールの補助額が50万円以下の部分は3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、50万円超350万円以下の部分は2/3以内。PC・タブレット等(10万円以下)やレジ・券売機等(20万円以下)も補助率1/2以内で対象になるが、ハードウェアだけの申請はできない。

セキュリティ対策推進枠

入居者や売主・買主の個人情報を大量に扱う不動産会社にとって、情報漏洩対策は経営リスクの一つ。この枠の対象は、IPAの「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載され、事務局に登録されたサービスに限られる。一般的なセキュリティソフトなら何でもよいわけではない。補助額は5万〜150万円で、補助率は中小企業1/2以内、小規模事業者2/3以内。

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賃貸管理・売買仲介・買取再販で、対象になり得る業務

同じ不動産会社でも、賃貸管理と売買仲介では変えたい業務が違う。通常枠の要件は「どの業務プロセスを持つソフトか」なので、業態ごとに変えたい業務を公式の区分に当てはめておくと、支援事業者との話が早い。

業態変えたい業務の例当てはまりそうな公式の区分候補の枠
賃貸管理入居者・オーナー対応の記録、家賃の入金管理、オーナーへの送金・報告顧客対応・販売支援/決済・債権債務・資金回収管理/業種固有通常枠
売買仲介反響の受付と追客、物件情報の登録、契約書類の作成顧客対応・販売支援/業種固有通常枠
買取再販仕入れ台帳、物件ごとの原価と利益の管理会計・財務・経営/業種固有通常枠
共通の経理仲介手数料・管理料の請求書発行、入金の消込会計・受発注・決済(インボイス対応)インボイス枠

表の区分は目安で、実際にどのプロセスとして登録されているかはツールごとに違う。「賃貸管理会社だから対象」ではなく「登録されたツールが、変えたい業務のプロセスを持っているか」で決まる。

賃貸管理会社の場合、入居者対応・オーナー報告・家賃管理のどこにどれだけ時間がかかっているかを先に把握しておくと、どのツールを選ぶか、何プロセス分で申請するかを決めやすい。業務の洗い出し方は賃貸管理会社の業務効率化の進め方で整理している。

不動産会社で補助対象になり得るツールの具体例

「うちの会社で使いたいツールが対象になるのか?」が一番気になるところだと思う。不動産会社でよく使われるツールの種類ごとに、補助対象になり得るものを整理した。

ツールの種類具体例用途
物件・契約管理システムいえらぶCLOUD、日本情報クリエイト物件情報の一元管理、ポータル連携
電子契約ツールクラウドサイン、いえらぶサイン重説・契約書の電子化
顧客管理・CRMSalesforce、kintone反響管理、追客の仕組み化
会計ソフトfreee、マネーフォワード仲介手数料管理、インボイス対応
汎用・自動化・分析ツールデータ連携、集計・分析の仕組みKPI集計、通知、レポート作成(単体では申請不可)

具体例は製品名の一例で、今期の登録状況を保証するものではない。補助対象になるには「IT導入支援事業者」が事務局に登録したツールである必要がある。導入を検討しているツールが登録済みかどうかは、公式サイトのITツール検索で確認できる。

スプレッドシートの自動化やデータ連携の仕組みは、それ単体では申請できない。業務プロセスを持つ登録済みソフトと組み合わせ、その機能拡張やデータ連携として扱えるかを支援事業者に確認する。高額なCRMを導入する前に、まず今の台帳で業務が回る状態に整え、それから導入範囲を決めるという手順もある。

申請スケジュール(2026年版)

2026年度は2026年3月30日に交付申請の受付が始まり、締切が複数回設定されている。2026年9月24日時点で公表されている次の締切は以下の通り(通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠で同じ日程)。

スケジュール日程
交付申請の受付開始2026年3月30日(月)
5次締切2026年9月29日(火)17:00
交付決定(5次)2026年11月9日(月)予定
事業実施期間交付決定〜2027年4月30日(金)17:00予定
事業実績報告の期限2027年4月30日(金)17:00予定

6次・7次の締切は、確定しだい公式の事業スケジュールで公表される。5次に間に合わない場合も、次回に向けて準備を進めておけば遅れを最小限に抑えられる。締切当日の17:00を過ぎると申請は受け付けられず、直前は申請画面が混み合うため、事務局も注意を促している。

準備GビズIDSECURITYACTION選ぶ支援事業者とITツール9/29 17:005次締切交付申請11/9予定交付決定ここから契約・導入2027/4/30期限(予定)実績報告交付決定までは契約・発注・支払いをしない
締切から逆算すると、準備は申請の前にしか取れません。日程は2026年9月24日時点の5次締切分で、6次以降は公式の事業スケジュールで確認します。

申請の流れ — 5ステップ

ステップ1:GビズIDプライムの取得とSECURITY ACTIONの宣言

交付申請には、GビズIDプライムと、IPAのSECURITY ACTION(一つ星または二つ星)の宣言済アカウントIDが必要になる。事務局の案内では、GビズIDプライムの発行はおおむね2週間、SECURITY ACTIONのアカウントID発行はおおむね2〜3日。GビズIDは代表者のオンライン申請なら速やかに発行され、書類申請は審査に最大1か月かかる(GビズID公式サイトの案内)。宣言の手順はSECURITY ACTIONの宣言手順にまとめている。

ステップ2:IT導入支援事業者とITツールを選ぶ

補助金を使ってツールを導入するには、「IT導入支援事業者」として登録された事業者を通す必要がある。変えたい業務を先に決め、それを扱えるツールと事業者を公式サイトで検索して選ぶ。

ステップ3:交付申請を出す

IT導入支援事業者と一緒に、導入するツール・費用・生産性向上の計画を記載した申請書を作成して提出する。

ステップ4:交付決定の後に契約・導入する

交付決定を受けてから、ツールの契約・導入・設定・運用を行う。交付決定前に契約・発注・支払いをすると補助対象外になるので要注意。

ステップ5:実績報告を提出する

導入後、実際にかかった費用や運用状況を期限までに報告する。これが完了すると補助金が支給されるため、支払いから入金までの資金繰りも先に見ておく。

不動産会社がよくつまずく3つのポイント

「ITツール一覧に載っていないツールはダメ?」

基本的には、公式サイトのITツール検索に掲載されているツールが対象になる。ただし、IT導入支援事業者が新たにツールを登録することも可能なので、使いたいツールが掲載されていない場合は、まず支援事業者に相談してみる価値がある。

「生産性向上の計画が書けない」

申請書には、ツール導入によってどれだけ生産性が上がるかの計画を記載する必要がある。「物件入力に月何時間かかっているか」「反響から初回連絡まで何時間かかっているか」など、変えたい業務の今の数字を先に測っておくと、計画を具体的に書ける。

「GビズIDとSECURITY ACTIONを後回しにした」

締切が近づいてから動き始めて、GビズIDの発行が間に合わないケースは意外と多い。書類申請だと審査に最大1か月かかる。補助金の検討を始めたら、申請するかどうかに関わらず、GビズIDプライムとSECURITY ACTIONの宣言だけは先に済ませておくのがおすすめだ。

通常枠の対象・補助額をもう少し詳しく見たい場合はデジタル化・AI導入補助金2026の通常枠の解説を、ソフトではなく機器の導入で省力化したい場合は省力化投資補助金2026をあわせて確認してほしい。

まとめ — 補助金の前に「どの業務を変えるか」を1つ決める

不動産会社の業務効率化は、最初から大きなシステムを入れる必要はない。補助金は「何を導入するか」が決まってから使う道具で、枠も補助額もそこから決まる。

だから最初に取り組むのは、賃貸管理なら家賃管理かオーナー報告、売買仲介なら反響対応か物件登録というように、改善したい業務を1つに絞り込むことだ。その業務の今の手順、使っている台帳、担当者、うまくいったと判断する条件が揃えば、支援事業者との打ち合わせもツール選びも短く済む。

どの業務から手を付けるかで迷う場合は、SalesDockの60分の無料相談で、対象業務と進め方の優先順位を一緒に整理できる。支援内容や料金の目安はサービス一覧に掲載している。補助金を利用する場合も、申請時点の公募要領と対象経費を確認したうえで導入範囲を判断する。

よくある質問

不動産会社でもIT導入補助金は使えますか?

使えます。補助対象者は中小企業・小規模事業者等で、業種の限定はありません。ただし対象になるのは、IT導入支援事業者が事務局に登録したITツールです。通常枠は補助額5万円以上450万円以下・補助率1/2以内(最低賃金の条件を満たす場合は2/3以内)です。4/5以内という補助率はインボイス枠(インボイス対応類型)で、小規模事業者が補助額50万円以下の部分に使える数字です。

賃貸管理会社でもIT導入補助金の対象になりますか?

対象になり得ます。通常枠のITツールは、顧客対応・販売支援、決済・債権債務・資金回収管理、会計・財務・経営、業種固有のプロセスなど、公式の業務プロセス区分を1つ以上持つソフトウェアが要件です。入居者・オーナー対応の記録、家賃の入金管理、管理業務専用のシステムは、これらの区分に該当する可能性があります。導入したいツールが登録済みかは、公式サイトのITツール検索で確認します。

IT導入補助金2026の次の締切はいつですか?

2026年9月24日時点で公表されている通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠の次の締切は、5次締切の2026年9月29日(火)17:00です。交付決定日は2026年11月9日(月)予定、事業実施期間と実績報告の期限は2027年4月30日(金)17:00予定です。6次以降の日程は、確定しだい公式サイトで公表されます。

申請の前に準備しておくことは何ですか?

GビズIDプライムの取得と、IPAのSECURITY ACTION(一つ星または二つ星)の宣言が交付申請の要件です。事務局はGビズIDプライムの発行までおおむね2週間、SECURITY ACTIONの宣言済アカウントID発行までおおむね2〜3日と案内しています。あわせて、どの業務を変えたいかと、導入したいツールを扱うIT導入支援事業者を決めておきます。

デジタル化・AI導入補助金の補助率はどれくらいですか?

通常枠の補助率は1/2以内で、最低賃金近傍の事業者のみ2/3以内に上がります。3/4や4/5という補助率はインボイス枠(インボイス対応類型)のもので、通常枠には適用されません。インボイス枠でITツールの補助額が50万円以下の部分は3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、50万円超350万円以下の部分は2/3以内です。例えば通常枠で10万円のツールを導入するなら自己負担は5万円です。

CASE

実際の支援では、こう変わりました

  • 人材紹介3ヶ月の伴走支援

    サイトの文言変更を、担当者が一人で本番公開まで完了。

  • 防災メーカー3ヶ月の伴走支援

    見積書づくりで人が行うのは、粗利をどうするかの判断だけに。

  • 外国人材の就職支援試作からの伴走支援

    書類の回収・仕分けと履歴書づくりを、どこまで自動にし、どこを人が確認するかを決めて試作まで完了。

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NEXT STEP

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経営・営業・業務・データのどこから整えるべきかを確認できます。

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泉

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に、累計40社以上の支援に携わる。

運営は株式会社SalesDock(大阪市中央区本町)。中小企業向けに、AI自走プラン(初期構築15万円+月額10万円・90日)と、 そのあとのAI顧問(月額5万円・6ヶ月契約から)を提供しています。価格は税別です。 大阪・関西を中心に、オンラインで全国からのご相談に対応しています。

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