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コパイロットスタジオ(Copilot Studio)とは?できること、必要なライセンス、始める前の確認点

執筆:泉 款太(株式会社SalesDock 代表取締役)累計40社以上の中小企業を支援

コパイロットスタジオ(Copilot Studio)とは?できること、必要なライセンス、始める前の確認点

結論

コパイロットスタジオは、チャット画面で質問するための道具ではなく、社内外の質問や定型の処理を引き受けるAIを、自社で設計して公開するための道具です。この記事では、Microsoft公式の情報(2026年11月時点)をもとに、できること、必要なライセンス、会社で始める前の確認点を整理します。

  • Copilot Studioは、AIエージェントやワークフローをローコードで作り、Teamsやウェブサイトなどに公開するためのMicrosoftのサービスです。
  • Copilot Studioで作ったエージェントを使う人に、特別なライセンスは要りません。使われた分はCopilotクレジットで課金されますが、Microsoft 365 Copilotの契約者が一部の使い方をする場合は課金対象外と案内されています。作る人にはライセンスが要ります。
  • 始める前に、使えるAIが会社で決まっていないか、自社の業務ツールが接続先にあるかを確かめます。

コパイロットスタジオは、AIエージェントと自動化を作って公開する場所です

Microsoftの公式ドキュメントでは、Copilot Studioを「AI搭載のエージェントやワークフローの構築と管理のためのグラフィカルでローコードなスタジオ」と説明しています。エージェントやワークフローを作り、組織のデータやシステムに接続し、利用者がすでに使っているチャネルに公開します。copilotstudio.microsoft.comで、ブラウザから使います。

名前が似た「Copilot」と混同しやすいため、先に位置づけを分けておきます。メールや文書の作成を手伝う画面は、Copilotそのものです。Copilot Studioは、その画面で動くエージェントや、Teams・Webサイトで動くエージェントを、自社用に作る側の道具です。

材料指示・資料接続先業務システムCopilotStudio作る・管理TeamsCopilotWebサイトモバイル作ったあとも続く仕事分析・評価・管理
Copilot Studioは、材料と接続先を受けて、エージェントを作って公開する場所です。公開後の分析と管理も同じスタジオで行います。

Copilot Studioで作れるのは、エージェント・ワークフロー・エージェントフローです

公式ドキュメントでは、構成要素として次の3つが挙げられています。単独でも、組み合わせても使えます。たとえば、ワークフローのあるステップをエージェントに任せる、という組み方ができます。

Copilot Studioで作れるもの(2026年11月時点)
種類内容動く場所向く場面
エージェント指示と接続した資料をもとに、会話に答えたりタスクを進めたりするAIアシスタントTeams、Microsoft Copilot、Webサイト、モバイルアプリなど社内FAQ、問い合わせの一次対応
ワークフロードラッグ&ドロップのデザイナーで作る自動化。エージェントやロジックを一つの流れにまとめるワークフローのステップをエージェントに任せられる(公式の説明)定型の処理を、AIの判断を交えて自動で進める
エージェントフローPower Automateに近い作り方のフロー。人によるレビューの手順も入れられる単独で、またはエージェントのツールとして承認を挟む処理、エージェントから呼ぶ処理

作るものの下には、ハーネスと呼ばれる、裏で動く仕組みがあります。どれを選ぶかで、AIの推論の仕方、扱える仕事の複雑さ、課金の仕組みが変わります。

選べる3つのハーネス
ハーネス向く用途補足
GitHub Copilotハーネス推論を重視し、多段階の作業や複雑な業務プロセスに向くMicrosoft 365 Copilotのライセンスで作成できる
カスタマー カンバセーション ハーネス音声やチャットで、顧客の質問に答えて問題を解決するエージェント向け解決できないときは人の担当者へ引き継げる
標準ハーネスルールベースのエージェントと、手順が決まった再現できる会話向けトピックと呼ぶ会話の流れを設計して作る

なお、公式ドキュメントによると、アプリを作る機能はプレビュー段階です。また、画面の構成や名称は更新されるため、実際に触る前に最新の公式ドキュメントを確かめてください。

Microsoft 365 Copilotの中で、もっと手軽にエージェントを作る道具(Agent Builder)との選び分けは、CopilotのAIエージェントとAgent Builder・Copilot Studioの違いで扱っています。小さな社内FAQで足りるのか、Studioまで必要なのかは、そちらを先に見ると判断しやすくなります。

必要なライセンスは、作る人と組織の分に分かれます

Copilot Studioで使うライセンスは、公式ドキュメントでは2種類が説明されています。組織で買うテナントライセンスと、作る人に割り当てるユーザーライセンスです。Microsoft 365管理センターで、テナント管理者が購入・割り当てを行います。

Copilot Studioのライセンスの分け方
対象内容担当手続き
テナントライセンス組織として購入する。ユーザーへは割り当てられないテナント管理者Microsoft 365管理センターの「サービスの購入」から
ユーザーライセンスエージェントを作る・管理する人に割り当てる。無料と案内されているが、取得にはCopilotクレジットパックの予約購入が前提テナント管理者管理センターでアクティブユーザーごとに割り当てる
エージェントを使う人特別なライセンスは不要。エージェントを公開した場所にアクセスできれば使える利用者本人Teamsなど公開先の権限に従う

使った分の課金は、Copilotクレジットで測ります。公式ドキュメントによると、2025年9月1日から、エージェントの共通の単位が「メッセージ」から「Copilotクレジット」に変わりました。クレジットは、従量課金、事前購入のプラン、前払いパックのサブスクリプションで用意できます。1回の応答やアクションで何クレジット消費するかは、エージェントが行うタスクの複雑さで変わります。

1 使えるAIは指定されているか2 接続したい道具があるか3 作る人のライセンス4 ハーネスを選ぶ5 クレジットの見方を決める1つの業務で小さく試す
作る前に確かめるのは、機能より先に「使ってよいか、つながるか」です。1〜5を済ませてから、1つの業務で試します。

Microsoft 365 Copilotのライセンスがある場合は、GitHub Copilotハーネスのエージェントを作るために、Copilot Studioを使えます。また、Copilot Chat、Teams、SharePointで認証済みのIDで動くエージェントの一部の使い方は、課金されないと案内されています。細かい条件は更新されるため、公式のライセンスの案内と課金ガイドで、契約前に確かめてください。

個人で試せますが、試用版では公開できません

Copilot Studioには試用版のライセンスがあり、個人としてサインアップして使い始められます。公式ドキュメントでは、試用版でもエージェントの作成と、テストのチャットでの動作確認ができると説明されています。ただし、試用版ではエージェントを公開できません。

管理者は、試用版のライセンスを割り当てることも、利用者が自分でサインアップする機能をブロックすることもできます。会社のアカウントで試す前に、管理者がこの設定をどうしているかを確かめます。

会社で始める前に、確かめる6つのこと

機能の説明だけを読むと、すぐ作れそうに見えます。ただ、機能より前の条件で止まることがあります。社内の端末や使えるAIが会社で決まっていて、導入を見送る会社もあります。意欲の問題ではなく、使ってよい道具が先に決まっていることがあります。

もう一つは、つなぎたい道具が接続先にあるかどうかです。メールや予定表、ファイル置き場が一般的なSaaSでない会社では、接続先の一覧に出てこないことがあります。Copilot Studioは、既製またはカスタムのコネクタで他のデータソースにつなげると公式に説明されていますが、自社の業務の中心にあるツールがつながるかは、作り始める前に管理者と業務の担当者で確かめます。

始める前の確認表
確かめること聞く相手理由
使えるAIは会社が決めているか情報システム担当・管理者会社のPCでは、使えるAIや画面の設定が決められていて、作り手側が触れないことがある
自社の業務ツールが接続先にあるか業務の担当者・管理者メールや予定表、ファイル置き場が業界向けのサービスだと、ひと目で分かる接続先に出てこないことがある
作る人は誰か、ライセンスはあるかテナント管理者ユーザーライセンスは作る人ごとに割り当てる。試用版では公開できない
どのハーネスで作るか作る人ハーネスで推論の仕方も、請求の仕組みも変わる
Copilotクレジットの上限をどう見るか契約窓口購入した容量を超えると、技術的な制限がかかることがある
公開後に直す人は誰か業務の担当者作って終わりにならないよう、回答の確認と資料の更新の担当を決める

社内の決まりごとから整えたい場合は、生成AIの社内ルールの作り方が参考になります。無料の範囲と有料の境目は、コパイロットは無料で使えるかにまとめました。

費用は、作った後の使われ方で動きます

Copilot Studioのクレジットの消費は、エージェントが行うタスクの複雑さで変わると公式に説明されています。作るときより、使われたときに費用が出ます。Copilot Studioでは、指示と参照する資料を絞るほど、消費は読みやすくなります。購入した容量を超えると、技術的な制限が適用されてサービスが止まる場合があると公式に書かれているため、公開前に想定する利用回数と、1回あたりのクレジットの目安を、Microsoftの使用量見積もりで確かめます。

最初の1週間は、1つの質問群だけで試します

いきなり複数の業務を載せず、よく聞かれる質問が決まっている1つの業務を選びます。社内の問い合わせ対応や、書類の置き場所の案内のような、答えの資料がすでにあるものが向いています。

  1. よく聞かれる質問を20件ほど、過去のやり取りから拾う
  2. 答えの根拠になる資料を決める(新しい版の1つに絞る)
  3. 試用版またはテスト用の環境で、エージェントを作り、20件を投げて答えを確かめる
  4. 間違えた質問を数え、資料か指示のどちらを直すかを分ける
  5. 1週間後に、かかった時間と直した箇所の数を、AIなしの時と比べる

効果の測り方は、AI導入の効果測定に詳しくまとめています。メールや予定を動かす機能はCopilot Coworkの使い方で、他のAIツールとの比べ方はAIツール比較で扱っています。

SalesDockは、成長に経営管理・業務・データの仕組みが追いついていない中小企業に、経営管理基盤の実装と定着を月額で支援しています。Copilot Studioのようなエージェントを入れる前に、どの業務のどのデータを整えるかを決めるのは、その最初の仕事です。

この記事はMicrosoftの公式ドキュメント(2026年11月時点)をもとにした解説で、SalesDockのCopilot Studio導入実績や削減効果を示すものではありません。機能・ライセンス・料金は変更されます。

NEXT STEP

エージェントに任せる業務と、つなぐ道具を整理する

いまの業務の流れを見ながら、最初に任せる業務、つなぎたい道具、確認が必要な社内ルールを60分で整理します。

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コパイロットスタジオでよくある質問

コパイロットスタジオ(Copilot Studio)とは何ですか?

Microsoftが提供する、AIエージェントやワークフローを作って管理するためのローコードのスタジオです。組織のデータやシステムに接続し、Teamsやウェブサイトなど、利用者がふだん使っている場所に公開できます。ブラウザ上のスタンドアロンのWebアプリとして使います。

Copilot Studioは無料で使えますか?

Copilot Studioの試用版では、エージェントを作ってテストのチャットで確かめられますが、公開はできません。公開して使うには、Copilotクレジットを前払いまたは従量課金で用意します。試用版のライセンスは、個人としてサインアップして使い始められます。

Copilot StudioとAgent Builderはどちらを使えばよいですか?

Microsoft 365の資料をもとに答える小さな社内FAQなら、Agent Builderで足りることがあります。外部システムとの接続や複数の工程が必要になったら、Copilot Studioを検討します。

Copilot Studioで作ったエージェントを使う人にも、ライセンスは必要ですか?

Copilot Studioで作ったエージェントを使う人に、特別なライセンスは要りません。公開した場所にアクセスできれば使えます。使われた分はCopilotクレジットで課金されますが、Microsoft 365 Copilotの契約者が一部の使い方をする場合は課金対象外と案内されています。なお、テナントのゲストユーザーはCopilot Studioそのものにはアクセスできません。

Microsoft 365 Copilotを契約していれば、Copilot Studioも使えますか?

Microsoft 365 Copilotのライセンスがあれば、GitHub Copilotハーネスで動くエージェントの作成にCopilot Studioを使えます。また、Copilot Chat、Teams、SharePointでエージェントを使い、認証済みのIDで動く場合は、一部の使い方が課金の対象外と案内されています。対象の範囲は公式の課金ガイドで確かめてください。

泉

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に、累計40社以上の支援に携わる。

運営は株式会社SalesDock(大阪市中央区本町)。中小企業向けに、AI内製化(初期構築15万円+月額10万円・90日)と、 そのあとのAI顧問(月額5万円・6ヶ月契約から)を提供しています。価格は税別です。 大阪・関西を中心に、オンラインで全国からのご相談に対応しています。

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この記事の数値について

本文中に一次資料へのリンクがある数値は、リンク先を出典としています。 リンクのない業務設計、判断基準、実務上の目安は、SalesDockが累計40社以上の支援と自社運用で得た知見を一般化したものです。 個別企業での成果を保証する数値ではなく、条件によって変わります。