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ChatGPTでExcelを使う方法|関数・集計・VBAの頼み方と、ズレを防ぐ渡し方
執筆:泉 款太(株式会社SalesDock 代表取締役)累計40社以上の中小企業を支援
結論
ChatGPTは、Excelの式やマクロの下書きを短時間で作れます。ただし、答えが合っているかは、渡した材料の質と、使う側の確認で決まります。この記事では、頼み方の型と、結果がズレる典型的な原因、確認する点を順に説明します。
- Excelでの使い道は、関数の作成、集計の下書き、VBA・マクロの生成、表データの整形の4つです。
- 式やマクロは、列の見出しと実際の値が入った数行の見本を渡して頼みます。「それらしい答え」を避けられます。
- 結果がズレるときは、ChatGPTの性能より先に、渡したファイルの状態を疑います。文字がつぶれたPDFや画像より、元のExcelやCSVを渡すほうが確実です。
- 返ってきた式は3行の実データで手計算と照らし、マクロはコピーのファイルで動かしてから使います。個人情報の列は渡しません。
ChatGPTでExcelに使えるのは4つの作業です
ChatGPTがExcelの作業で役に立つのは、文章で頼んだ内容を式やコードに変える場面です。式・手順・マクロの文面を作れるほか、Excelファイルをアップロードして分析させることもできます。OpenAIのヘルプでは、データ分析で.xls・.xlsx・.csvなどの表計算ファイルに対応するとされています(2026年10月時点。使える機能はプランや設定で異なります)。中小企業の現場で使いやすいのは、次の4つです。
| 作業 | 頼み方 | 使う前の確認 |
|---|---|---|
| 関数・数式を作る | 「B列が空でなければC列との差を出す」のように文章で頼む | 式をそのまま貼る前に、3行ほどの実データで答えを手計算と照らす |
| 集計の下書きを作る | 列の見出しと数行の見本を渡し、「月別・担当者別に集計したい」と頼む | 合計が元の表の合計と一致するかを見る |
| VBA・マクロを書く | 今の手作業の手順を1行ずつ書き、「これを自動にしたい」と頼む | コピーしたファイルで動かし、元のファイルでは最後に試す |
| 表データを整える | 表記ゆれ・全角半角・日付形式の例を数行見せ、直し方を頼む | 直した件数と、直さなかった件数を数える |
どの作業でも共通するのは、「列の見出し」「実際の値が入った数行」「出したい結果」の3つを先に渡すことです。見本の行に正しい答えを添えておくと、返ってきた式が合っているかを、その場で確かめられます。
関数・マクロは「見本の行つき」で頼みます
次の例は、請求一覧の「入金済みの合計」を担当者別に出したい場面です。頼み方を2通り並べます。
【伝わりにくい頼み方】
入金済みの合計を担当者別に出す式を教えて
【伝わる頼み方】
Excelで、A列=担当者、B列=請求額、C列=状態(「入金済」「未入金」)の表があります。
例)田中 / 120,000 / 入金済、佐藤 / 80,000 / 未入金、田中 / 50,000 / 入金済
担当者ごとの「入金済」の請求額の合計を、F列に出す式を作ってください。
この例なら、田中は170,000、佐藤は0になる想定です。後者なら、返ってきた式を見本の3行に当てはめて、田中が170,000になるかを確かめられます。この確認を省くと、条件の列を取り違えたまま、合計が出たように見える式を使い続けることになります。
VBA・マクロは、元のファイルで最初に動かしません
マクロは、今の手作業を1行ずつ書いて頼むと、手順に近い形で返ってきます。ただし、元のデータを書き換える・消す命令が含まれることがあります。最初は、ファイルのコピーで動かし、元と結果を見比べてから本番に使います。コードの意味が分からない部分は、そのままChatGPTに「この行は何をしているか」を聞けます。
Excelファイルを渡して集計・編集を頼む流れ
ChatGPTにExcelファイルを渡して集計や整形を頼む場合の流れは、次の4段です。数行の見本で式を頼む方法より手早い反面、ファイル全体を渡すので、渡す前の準備と戻ってきた結果の確認が欠かせません。
- 渡すコピーを作る:元のファイルは触らず、コピーを用意します。氏名・住所・取引先ごとの個別の金額などの列は、消すかダミーの値に置き換えます。1行目に列の見出し、2行目以降に1行1件のデータを置いた表にしておくと、読み違いが減ります。
- ファイルを添付する:チャット欄の添付(クリップのアイコンなど)から、コピーしたxlsxまたはCSVのファイルを選びます。使える画面や上限はプランや設定で変わるため、自社の画面で確認します。
- 依頼文を書く:「Sheet1のA列が担当者、B列が請求額、C列が状態です。入金済みの請求額を担当者別に集計し、新しい表にしてください。田中の合計は170,000になるはずです」のように、列の意味と、正しい答えの見本を添えます。
- 結果を受け取り、元と見比べる:返ってきた表やファイルは、保存して開き、合計が元の表の合計と一致するか、件数が減っていないか、3行ほどを手計算と照らします。コードを使って分析した場合は、画面に出る手順や前提も読みます。
ChatGPTにExcelファイルを渡す方法は、結果が合わなかったときに、式を頼む方法より原因を追いにくくなります。そのため、最初は小さな表で試し、合うことを確かめてから実際の業務の表に広げます。
結果がズレる原因は、ChatGPTより「渡し方」にあることが多いです
ChatGPTでExcelの作業を試して「合わなかった」とやめてしまう例があります。SalesDockが相談を受けた中には、原因がChatGPTそのものより、渡した資料の側にあった例がありました。
- 請求書のPDFをチャットAIに読ませて仕訳を試したところ、金額や科目がずれた例があります。ずれの原因は、AIではなく請求書のPDF側にありました。
- 履歴書アプリを作った例では、画像から読み取った行数と、元のWordファイルの行数が合っていませんでした。そこで様式を作り直すのをやめ、元のWordファイルに差し込む方式に1本化しました。
このようにPDFや画像が原因だった例が続いています。ChatGPTにPDFや画像を読ませると、文字を読み違えて金額や科目がずれることがあります。元のExcelやWord、会計ソフトのCSVのような「中身のデータ」があるなら、それを渡すほうが確実です。なお、ここで挙げた例は、すべての原因が資料の形式にあったと確かめられたものではありません。
渡し方は4通りで、向く作業が違います
| 渡し方 | 向く作業 | 注意点 |
|---|---|---|
| 数行を貼り付ける | 関数の作り方、表記ゆれの直し方 | 行数が多いと全体は渡せない。見本として使う |
| Excelファイルを渡す | 集計、グラフ、列の整形 | ファイルの中に個人情報があれば渡さない。結果の保存は別に行う |
| PDF・画像を渡す | 文字が読める資料からの抜き出し | 文字がつぶれていると読み違える。元のデータがあれば、そちらを渡す |
| やりたいことだけ文章で伝える | 式や手順の考え方を聞く | 実データで試すまで、合っているかは分からない |
請求書や紙の資料を読ませる作業は、OCR(文字を読み取る技術)の質に左右されます。仕組みと、人が確認する箇所はOCRとは?仕組み・AI-OCRとの違い・導入前の確認方法、手入力を減らす順番は手入力をAIで削減する方法で扱っています。
使う前に決める3つの決まり
ChatGPTは便利ですが、社内で使い方が揃っていないと、担当者ごとに結果が違い、あとから誰も検証できなくなります。最初に、次の3つを決めておきます。
- 渡してよいデータの範囲:氏名・住所・電話番号・取引先ごとの個別の金額などは渡さない、または消したコピーを使う。
- 確認する人と方法:式は見本の行で手計算、マクロはコピーで試運転、までを使う人の作業として決める。
- 結果の保存先:ChatGPTの会話の中だけに式を残さず、Excelのファイルに説明つきで残す。担当者が替わっても追えるようにする。
AIツールを会社のルールに載せるときの考え方はAIの社内ルールにまとめています。ChatGPTと他のAIの選び方はChatGPTとClaudeの使い分けが参考になります。
チャットで質問して貼り付けるだけでは、仕事は変わりにくいです
不動産会社向けのレポートで、毎回チャット画面で質問して、答えをコピーして貼る使い方では、実務は変わらないと指摘されていた例がありました。AIを「使っている」ことと、AIが「働いている」ことは別だという指摘です。
ChatGPTで式を作る作業は、1回なら5分で済みます。ところが、毎月同じ集計を同じ手順で頼むなら、頼む作業そのものが毎月の手間になります。その場合は、一度できた式やマクロをExcelのファイルに固定して、次の月からは頼まずに動かせる形にします。会計ソフトやフォームなど元のデータの出どころとExcelを直接つなぐ方法はExcelからシステムへ移すタイミングが目安になります。
まず、1つの作業だけで試します。来週は、毎月やっている集計作業を1つ選び、その作業の列の見出しと数行の見本を用意します。見本の行つきで式を頼み、手計算と照らして合うかを確かめます。合えば、その式をファイルに説明つきで残し、次の月は頼まずに使います。
SalesDockは、AI顧問として、ChatGPTのようなAIを現場の業務や数字の流れにつなぐところを支援しています。支援の内容はサービスと料金にまとめています。
NEXT STEP
ExcelとAIをつなぐ最初の1業務を整理する
いまExcelで手作業になっている集計や転記を見ながら、AIに頼める部分と人が確認する部分、渡すデータの範囲を無料相談で整理します。
無料相談を申し込むChatGPTとExcelの使い方でよくある質問
ChatGPTでExcelの関数を作らせるとき、何を伝えればよいですか?
列の見出しと、実際の値が入った数行の見本、出したい結果の3つです。「売上を集計して」だけでは、どの列を条件にするか分からず、それらしい式が返ってきます。見本の行と、その行の正しい答えを一緒に渡すと、式が合っているかをその場で確かめられます。
ChatGPTにExcelファイルを丸ごと渡してよいですか?
会社の決まりで許されている範囲に限ります。氏名・住所・電話番号・マイナンバー・取引先の個別の金額など、個人や取引先を特定できる列がある場合は、その列を消すか、ダミーの値に置き換えたコピーを作って渡します。迷う場合は、見本の数行だけを渡して式の作り方だけを聞く方法でも、多くの作業は進められます。
ChatGPTが作ったExcelの式やマクロは、そのまま使えますか?
ChatGPTが作ったExcelの式やマクロは、そのままでは本番のファイルに使いません。式は3行ほどの実データで手計算と照らし、マクロはファイルのコピーで動かして、元のデータが書き換わらないことを確かめてから使います。マクロには元のデータを書き換えたり消したりする命令が入ることがあるため、元のファイルでの最初の実行は避けます。
請求書のPDFをChatGPTに読ませて、仕訳やExcelの表にできますか?
文字がはっきり読めるPDFなら試せます。ただし、文字がつぶれていたり、スキャンの画質が低かったりすると、金額や科目がずれます。ずれた場合は、ChatGPTの性能と決めつけず、元のPDFが読める状態かを先に確認します。会計ソフトからCSVで出せる場合は、PDFよりCSVを渡すほうが確実です。
ChatGPTを使えば、Excelの業務はなくなりますか?
ChatGPTを使っても、Excelの業務はなくなりません。ChatGPTが得意なのは式やマクロの下書きと表の整形で、どの表を正とするか、誰が確認するか、結果をどこへ残すかは人が決めます。チャット画面で質問して答えを貼り付けるだけの使い方では、毎回同じ手間が残るため、繰り返す作業は手順として固定することを考えます。
泉 款太(いずみ かんた)
株式会社SalesDock 代表取締役
慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に、累計40社以上の支援に携わる。
運営は株式会社SalesDock(大阪市中央区本町)。中小企業向けに、AI自走プラン(初期構築15万円+月額10万円・90日)と、 そのあとのAI顧問(月額5万円・6ヶ月契約から)を提供しています。価格は税別です。 大阪・関西を中心に、オンラインで全国からのご相談に対応しています。
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