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AI内製・技術レビュー

AI駆動開発の研修の選び方|非エンジニアはコードの前に、使う人とデータのつながりを学ぶ

画面を早く作る練習より先に、自社の業務1件を分けて書く時間がある研修を選ぶ

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AI駆動開発の研修の選び方の結論|非エンジニアは自社の業務を題材に、設計から学べる研修を選ぶ

SalesDockは中小企業の役員や担当者向けに、Claudeを使った業務の自動化研修を行っています。その現場で感じているのは、つまずく原因がAIの操作よりも、作り始める前に決めておくことの抜けにあるという点です。

  • AI駆動開発・バイブコーディングの研修は、名前より受講対象と演習の中身で比べます。プログラミングの基礎を前提にする講座もあるため、受講条件を確かめます。
  • AIにコードを書かせる前に、使う人・使う道具・つなぐデータを決める演習があるかを確かめます。設計を決めずに作り始めると、あとから修正が増えます。
  • 研修の題材は講座のサンプルではなく、自社で毎日か毎週やっている業務1件にします。
  • 研修の効果は受講の満足度ではなく、その1件の所要時間と、翌日以降も動いたかで測ります。

「AI駆動開発 研修」で検索すると、IT研修会社の講座ページや、開発会社の伴走型プログラムが並びます。日数・形式・受講料は講座ごとに違います。たとえばトレノケートの公開講座は、オンラインLiveの2日間で税込143,000円と公式ページに掲載されています。これは1講座の公開価格で、業界の相場ではありません。受講対象と題材も含め、同じ範囲で比べます。

この記事では、エンジニアがいない中小企業で、業務を知っている人がAIを使って社内のアプリを作りたい場面を想定して、研修の選び方と、研修で何を学ぶべきかを書きます。AI駆動開発という言葉の範囲そのものはAI駆動開発とは?バイブコーディングとの違いと進め方で整理しています。

AI駆動開発の研修は、エンジニア向けと業務側向けで中身が違う

AI駆動開発・バイブコーディングの研修は、名前より受講者の想定で中身が分かれます。エンジニア向けの研修には、要件定義、設計、実装、テストの各工程でAIをどう使うか教える講座があります。プログラミングの基礎を前提にするか、未経験でも受けられるかは講座ごとに異なります。講座が用意したサンプルのアプリで演習を進める場合もあります。

エンジニア向け研修を業務側の人が受ける場合は、自社の業務で何から作るかを考える演習があるか確かめます。サンプルのアプリでは使う人やデータが最初から決まっている場合があります。自社の業務では、その設計から始める必要があります。

比べる点エンジニア向け業務側向け
主な受講者開発の仕事をしているエンジニア業務を知っている担当者・役員
研修の題材講座が用意したサンプルのアプリ自社で毎日・毎週やっている業務1件
前提の知識プログラミングの基礎が必要か講座ごとに確認Excelとふだんの業務の流れ
日数・形式講座ごとに日数と集合・オンラインの別を確認自社の業務を持ち込める時間と形式を確認
受講料1人あたりか一括か、助成金を使う前の総額を確認人数と伴走範囲を含む総額を確認
最初に学ぶこと工程ごとのAIの使い方使う人・道具・データのつながり
終わったときの成果開発の速さと品質が上がる自社の業務が1件、実際に軽くなる

社内にエンジニアがいて開発を速くしたいならエンジニア向けのAI駆動開発研修を、エンジニアがいない会社で業務を知っている人に社内アプリを作れるようになってほしいなら、自社の業務を題材にする業務側向けの研修を選びます。日数・形式・受講料は各講座の公式案内や見積もりで確かめ、同じ範囲で比べます。

AIにコードを書かせる前に決める3つのこと

業務側向けの研修で最初に扱うべきなのは、ツールの操作ではありません。AIに「こういうアプリを作って」と頼む前に、次の3つを書き出しておくことです。

誰が使うか

入力する人、一覧を見る人、内容を確かめて確定する人を分けて書きます。たとえば工務の日程調整なら、候補を出すのはAI、業者に送るのは担当者、予定を確定するのは担当者本人です。ここが曖昧だと、画面に誰向けのボタンを置くかをAIが推測で決めてしまいます。

何で使うか

現場でスマホから入れるのか、事務所のPCで使うのか。今使っているExcelやグループウェアは残すのか、置き換えるのか。すぐに全部を置き換えず、AIが読む資料だけを切り出して使い始める方法もあります。

どのデータとつながるか

顧客、案件、担当者、物件といったデータが、どれとどれにつながるのかを決めます。エンジニアはこれをER図と呼ばれる図で書きますが、研修では箱と線を紙に書くところからで十分です。線の書き方は、AIに下書きさせることもできます。

決めずに始めると、修正が終わらなくなる

よくあるのが、案件の一覧に顧客名を毎回手で打つ形で作り始めるケースです。同じ会社が「株式会社」付きと「(株)」付きの2通りで入り、会社ごとの集計が合わなくなります。後から顧客の表を分けると、入力画面、一覧、集計を作り直すことになります。AIは頼まれたとおりに速く直してくれますが、直すたびに別の画面がずれ、修正が終わらなくなります。

決めずに作り始める先に決めてから作るAIに画面を作らせる使う人が増えて表記がずれるデータの持ち方を直す入力・一覧・集計を作り直す直すたびに別の画面がずれ、同じ修正に何度も戻る誰が入力し、誰が確かめるかスマホかPCか、何を残すか顧客・案件のつながりを書く書いたものをAIに渡して作る正常な例3件で確かめる
決める順番が逆だと、AIが速い分だけ修正も速く積み上がります。右の上3段は紙に書くだけで、コードは要りません。

誰が使うか、何で使うか、どのデータとつながるかの3つを書き出したら、その文章をそのままAIへの依頼文として渡せます。要件としてまとめる項目と、誰が決めるかは要件定義の進め方で詳しく書いています。

研修の選び方:題材を1件に絞り、確認する人を決める時間があるか

研修では、作る前に題材となる業務を1件に絞り、AIが下書きする範囲と人が最後に確定する操作を決める時間があるかを確かめます。題材を決めないままメール、予定表、ファイル整理を一度に試すと、研修中に動いても翌日から続ける業務が定まりません。

SalesDockの研修例では、受講者に毎日か毎週やっている業務と、その所要時間、元のデータ、転記先、例外を書いて持ってきてもらいます。頻度と時間と面倒さで題材を1件に絞ってから作ります。他社の研修を選ぶときも、題材を決める時間が含まれるか確認してください。

たとえばメール業務を選ぶなら、AIが返信の要りそうなものを番号付きで出し、担当者が番号で選び、AIが下書きを作るところまでを演習にできます。送信は担当者が行う設計にします。

非エンジニア向け研修の組み方の例:SalesDockは約90分を4回

SalesDockでは、業務1件を形にするまでを次の4回に分けています。回と回の間に各自で試す期間を置くと、次の回の質問が具体的になります。

  1. 第1回 業務を1件に絞る

    受講者がそれぞれ、毎日または毎週やっている業務を3件ずつ持ち寄ります。頻度、1回の時間、面倒さで1件に絞り、「入力、判断、転記や出力、例外、人の確認」の順に分けます。この回で1件あたりの今の所要時間も測っておきます。

  2. 第2回 使う人・道具・データを書く

    誰が入力し、誰が見て、誰が確かめるのか。スマホかPCか、今のExcelやグループウェアはどう残すのか。そして顧客・案件・担当者などのデータがどうつながるのかを、紙かAIとの対話で書き出します。

  3. 第3回 AIに作らせて3件で試す

    第2回で書いたものをそのままAIに渡し、画面と処理を作らせます。ふだんの正常な例を3件通し、元のデータから決めた先まで同じ結果になるかを確かめます。

  4. 第4回 人の境界と効果を決める

    送信、予定の確定、金額、削除など人が最後に押す操作を決めます。翌日以降も動いたか、手直しが何回あったか、1件の時間がどう変わったかを記録します。

コードを書くのは第3回から第1回と第2回はコードなし第1回業務を1件に絞り時間を測る第2回使う人・道具・データを書く第3回AIに作らせ、3件で試す第4回人が押す操作と効果を決める回の間は各自で試す測るのは時間と手直しの回数
4回のうち前半2回は、紙とAIとの対話だけで進みます。ここで決めたことが、第3回の依頼文になります。

第1回で書き出す業務の分け方は業務棚卸しのやり方が参考になります。第4回で決める人の確認の範囲は、社内で使い続けるなら社内利用と本番公開の境目も合わせて確認してください。

研修会社を選ぶときに聞く6つのこと

講座ページだけでは中身が分かりにくいので、申し込む前に次を聞いておくと比べやすくなります。

  1. 研修の題材は、講座のサンプルですか。それとも自社の業務を持ち込めますか。
  2. 受講の前提にプログラミング言語の経験は要りますか。日数と集合・オンラインの形式はどうなっていますか。
  3. 受講料は1人あたりですか、一括ですか。助成金を使う前の総額と、研修後の支援範囲はいくらですか。
  4. コードを書かせる前に、使う人とデータのつながりを書く演習はありますか。
  5. 研修中に作ったものを、翌日以降も動かし続けるところまで見てもらえますか。
  6. ID・パスワードの扱い、メール送信や削除など、AIに任せない操作をどう教えますか。

受講料は講座ごとに違うため、見積もりの段階で総額を確かめます。厚生労働省の人材開発支援助成金は、事業主が計画に沿って従業員に職業訓練を行った場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。訓練の計画を届け出る手続きがあり、要件はコースごとに細かく決まっています。使いたい場合は申し込む前に、その講座が対象になるか、申請をどこまで手伝ってもらえるかを研修会社に聞き、最終的には労働局に確かめてください。

研修の題材に自社の業務を持ち込めるか、コードを書かせる前に使う人とデータのつながりを書く演習があるか。この2つへの答えが曖昧なら、エンジニア向けの内容に近い研修だと考えてよいでしょう。研修型、顧問型、実装型など支援会社の分け方全体はAI導入支援会社の選び方で比べています。

自社の業務を題材にした研修を相談したい方へ

SalesDockでは、Claude CodeやCodexを業務で使うための環境づくりから、最初の1業務を形にして社内で回せるようにするところまで支援しています。何を題材にするかが決まっていない段階でも構いません。

研修の効果は、業務1件の時間と「翌日も動いたか」で測る

研修後のアンケートで「分かりやすかった」が多くても、業務が変わったかどうかは分かりません。第1回で測った所要時間を基準に、次の数字を同じ業務で比べます。

  • 1件あたりの所要時間です。AIが作った結果を人が確かめる時間も含めて測ります。
  • 研修の翌日から1週間、作ったものが決めたとおりに動いた日数を数えます。その場で動いたことと、翌日も使えることは分けて扱います。
  • AIの出力を人が直した回数と、最初からやり直した回数を残します。
  • 例外として人に戻した件数と、その理由を書き留めます。

作ったものを社内で広く使い始める前には、権限、保存、復旧、引き継ぎをAIで作った社内ツールの本番導入前チェックリストで確かめます。

参考にした公式情報

AI駆動開発の研修についてよくある質問

プログラミングの経験がない人でも、AI駆動開発の研修を受けられますか?

受けられます。ただし、エンジニア向け研修にはプログラミングの基礎を前提にする講座もあります。非エンジニアが自社の業務アプリを作りたいなら、受講条件を確かめ、自社の業務を題材にでき、コードの前に使う人とデータのつながりを決める演習がある研修を選びます。

研修の回数と時間はどれくらい必要ですか?

必要な回数は、自社の業務を持ち込むか、講座のサンプルを使うか、研修後の伴走があるかで変わります。募集要項の日数だけでなく、題材決め・設計・試用に使える時間を確認してください。SalesDockでは各回を約90分とし、題材となる業務を形にするまでを4回に分けています。

研修の前に準備しておくことはありますか?

毎日または毎週やっている業務を3件、1回あたりの所要時間、元になるデータの場所、転記先や成果物、よくある例外を書き出しておくと、初回から自社の題材で進められます。IDやパスワードは受講者本人が入力し、講師やAIには渡しません。

バイブコーディングの研修とAI駆動開発の研修は違いますか?

呼び方で中身が決まるわけではありません。どちらの名前でも、画面を早く作る練習が中心の研修もあれば、業務の聞き取りから運用まで扱う研修もあります。名前より、題材と演習の中身、研修後にどこまで見てもらえるかで比べます。

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泉

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に、累計40社以上の支援に携わる。

運営は株式会社SalesDock(大阪市中央区本町)。中小企業向けに、AI自走プラン(初期構築15万円+月額10万円・90日)と、 そのあとのAI顧問(月額5万円・6ヶ月契約から)を提供しています。価格は税別です。 大阪・関西を中心に、オンラインで全国からのご相談に対応しています。

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