SalesDock ロゴSalesDock
業務改善

事務の業務マニュアルの作り方|使われる手順書の7項目

10分で読める

この記事の結論

使われる業務マニュアルは、操作手順だけでなく、作業の開始・完了条件、判断基準、例外時の対応まで書かれている。最初から全業務を文書化せず、引き継ぎで止まりやすい事務作業を一つ選び、新人が単独で完了できるか試しながら作る。

業務マニュアルを作ったのに、結局担当者へ質問が集まる。よくある原因は、画面のクリック順は書かれていても、「いつ始めるか」「どの数字を正しいと判断するか」「例外が起きたらどうするか」が書かれていないことだ。

事務作業には、請求書発行、入金確認、顧客登録、契約更新、月次集計など、同じように見えて判断を含む業務が多い。手順だけを写真付きで残しても、取引条件が違う案件で止まる。必要なのは操作説明書ではなく、業務を完了するための判断材料だ。

最初にマニュアル化する業務の選び方

全業務を一度にマニュアル化しようとすると、完成する前に画面や運用が変わる。まず、頻度が高い、複数人が担当する、ミスの影響が大きい、質問が繰り返される、のいずれかに当てはまる業務を一つ選ぶ。

優先度が高い:毎週・毎月発生し、担当者不在で止まる業務
次に着手:ミスが請求漏れ、納期遅延、顧客対応漏れにつながる業務
後回しでよい:年1回だけで、担当者と確認先が明確な業務

対象を決める前に業務全体を整理したい場合は中小企業の業務改善は何から始めるかも参考になる。

業務マニュアルに必要な7項目

項目書く内容
1. 目的この作業が何の判断や後工程に使われるか
2. 開始条件いつ、何が揃ったら開始するか
3. 完了条件どの状態になれば完了か、誰へ知らせるか
4. 担当者実行、確認、承認する人
5. 手順入力・確認・保存・共有の順序
6. 判断基準金額、期限、ステータスなどの分岐条件
7. 例外対応止める条件、記録場所、確認先

厚生労働省の生産性向上マニュアルでも、改善対象となる業務を選び、現在の仕事の進め方を見える化したうえで改善する流れが示されている。手順書を先に厚くするより、対象業務と現状を絞ることが重要だ。出典:厚生労働省「生活衛生関係営業の生産性向上を図るためのマニュアル」

操作・判断・例外を分けて書く

手順は、操作、判断、例外の三つに分けると読みやすい。操作は「請求一覧を開く」。判断は「入金日が締め日以前なら入金済みにする」。例外は「金額が一致しなければ更新せず、差額を記録して経理担当へ確認する」という形だ。

画面キャプチャは操作の補助として使う。画像だけに頼ると、ボタンの位置が変わっただけで全ページを直すことになる。見出しと文章だけでも作業の意味が分かり、迷いやすい画面だけ画像を置く方が保守しやすい。

チェックリストはマニュアル本体から分ける

マニュアルは「どう進めるか」を説明する文書、チェックリストは「今回どこまで完了したか」を記録する道具だ。同じ文書にすると、実行するたびに複製が増え、どれが最新版か分からなくなる。

請求書発行チェックリストの例

□ 対象案件と請求月を確認した

□ 契約金額と今回の請求額が一致している

□ 宛名・支払期限・振込先を確認した

□ 発行日と送付先を記録した

新人がマニュアルだけで作業し、止まった場所を直す

作成者本人が読むと、書かれていない前提を頭の中で補ってしまう。完成判定は、業務を知らない人がマニュアルだけで作業し、完了条件まで到達できるかで行う。

  1. 1. 作成者は説明せず、質問された場所を記録する。
  2. 2. 質問を、操作不足、判断基準不足、例外不足に分類する。
  3. 3. 止まった箇所だけを追記し、もう一度別の人で試す。

引き継ぎ資料全体の組み立ては引き継ぎ資料の作り方でも解説している。

更新日ではなく、更新条件を決める

「半年に一度見直す」だけでは、変更から見直しまで古い手順が残る。利用システムの変更、帳票項目の変更、承認者の変更、同じ質問が2回発生したとき、など更新のきっかけを決める。

各マニュアルには、管理責任者、最終更新日、変更履歴を付ける。保管場所は一つにし、チャットや個人フォルダへ最新版を複製しない。入口を一つにすると、古い版を参照する事故を減らせる。

まとめ

事務の業務マニュアルは、目的、開始条件、完了条件、担当者、手順、判断基準、例外対応の7項目で作る。操作画像を増やすことより、どこで判断し、どこから人へ確認を戻すかを明文化する方が重要だ。

最初は一つの業務でよい。新人が単独で完了できるまで試し、止まった場所を直す。この小さな循環を繰り返すと、マニュアルが保管資料ではなく、属人化を減らす運用基盤になる。

よくある質問

事務の業務マニュアルには何を書けばいいですか?

目的、開始条件、完了条件、担当者、手順、判断基準、例外時の連絡先の7項目を基本にします。画面操作だけでなく、どの状態になれば作業完了なのか、迷ったときに誰へ確認するのかまで書くと引き継ぎで使えます。

業務マニュアルはWordとExcelのどちらで作るべきですか?

文章と画像で手順を説明するならWordやGoogleドキュメント、案件ごとに確認状況を記録するならExcelやスプレッドシートが向いています。マニュアル本体と実行時のチェックリストは分けると更新しやすくなります。

マニュアルを作っても読まれない原因は何ですか?

情報量が多すぎる、保管場所が分からない、実際の画面と内容が古い、判断基準が書かれていない、といった原因があります。新人にマニュアルだけで作業してもらい、止まった場所を直す方法が有効です。

属人化している事務業務を整理したい方へ

SalesDockは、手順だけでなく、担当・判断基準・データの流れまで整理している。どの業務から標準化すべきか迷う場合は、現在の詰まりを3分診断で確認できる。

無料で診断する →

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に30社以上の業務改善に携わる。

代表メッセージを読む →

NEXT STEP

業務・判断・データの詰まりを、3分で整理

自動化やシステム導入の前に、自社が先に整える場所を確認できます。