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AI活用入門

ChatGPTで試したけど精度が出ない|原因はモデルではなく渡し方にある

モデルを変える前に、渡し方を見る

9分で読める

執筆:泉 款太(株式会社SalesDock 代表取締役)累計40社以上の中小企業を支援

ChatGPTで試したけど精度が出ない|原因はモデルではなく渡し方にある

結論

「ChatGPTで試したけど、ズレが出た」。この相談はとても多いのですが、モデルを乗り換えて解決することはほとんどありません。

  • 原因はモデルの賢さではなく、渡し方に集中します。資料が機械に読めていない、判断基準を書いていない、例を見せていない、一度に頼みすぎている、の4つです。
  • スキャンしたPDFを渡していた、というのがよくある原因です。人間の目では読めても、機械には別の文字に見えていることがあります。
  • 工程を分けて、間に人の確認を置いてください。抽出・判断・作成を1回で頼むと、どこで崩れたかが分かりません。

この記事は精度が出ない原因の切り分けを扱います。社内ルールの作り方は生成AIの社内ルール、費用はAI導入費用の相場で扱っています。

業務でAIを試して、思った結果が出ない。このとき最初に疑われるのはモデルの性能ですが、実際の原因はほぼ渡し方の側にあります。

順番に切り分けると、どこで崩れているかは特定できます。

精度が出ない4つの原因

  • 渡した資料が読めていない:スキャンしたPDFは文字が潰れていることがあります。人間の目では読めても、機械には別の文字に見えています
  • 判断基準を書いていない:「いい感じにまとめて」では、何を残し何を削るかの基準がありません。人が頭の中でやっている判断が渡っていない状態です
  • 例を見せていない:文章で説明するより、過去の完成物を2〜3件見せるほうが早く揃います
  • 一度に頼みすぎている:読む・判断する・書く・整えるを1回で頼むと、どこで崩れたか分かりません

1つ目が見落とされがちです。紙をスキャンしたPDFは、文字が潰れて別の文字として読まれていることがあります。人間の目では読めるので、原因として疑われません。

工程を分けると、崩れた場所が見える

読む・判断する・書く・整えるを1回で頼むと、結果がおかしくても原因が分かりません。分けて渡します。

まとめて頼む読む+判断+作成+整形どこで崩れたか不明分けて頼む抽出人が選ぶ作成人が確認
人が選ぶ工程を真ん中に置くと、間違いが下流へ流れません。確認の場所が決まります。

精度を上げる4つの手当て

  • 元データを機械が読める形にする:スキャンPDFではなくCSVやテキストで渡します。ここだけで精度が変わることがあります
  • 判断の分かれ目を書き出す:どの金額から上長に上げるか、例外をどう扱うか。口頭で共有されている基準を文章にします
  • 過去の完成物を例として渡す:良い例と、直した例の両方を見せると、避けるべき形も伝わります
  • 工程を分けて、間に人の確認を置く:抽出だけ任せて人が選び、その後で文章を作らせる。崩れた場所が特定できます

2つ目の「判断の分かれ目を書き出す」は、AIを使うかどうかに関係なく効きます。口頭で共有されている基準を文章にした時点で、引き継ぎの資産になります。

任せるのをやめたほうがいい業務

手当てをしても合わない領域はあります。無理に続けるより、切り分けたほうが早いです。

  • 元データが存在しない:担当者の頭の中にしかない情報は、まず書き出すところからです
  • 間違いに気づけない:出力が正しいか人が判断できない領域は、確認の工程が成立しません
  • 毎回条件が違う:1件ずつオーダーメイドで判断する仕事は、任せる部分が小さくなります
任せる前の3つの確認元データが頭の中だけでなく書き出されているいいえまず頭の中を書き出すはい出力の正誤を人が判断できるいいえ確認が成立しないはい条件が毎回ほぼ同じいいえ任せる部分は小さいはい任せて、4つの手当てを試すスキャンPDFは、手当て「機械が読める形にする」で扱う
3つとも「はい」の業務から任せると、手当ての効果が確かめられます。「いいえ」が付いた業務は、元データなら書き出し、正誤なら判断基準づくりを先に行い、条件が毎回違うものは任せる範囲を小さく絞ります。

任せる前の確認で最も重要なのは「出力の正誤を人が判断できるか」です。出力が正しいか人が判断できない領域では、確認の工程が成立しません。ここを飛ばして導入すると、間違いに気づかないまま業務が回ります。

どこで崩れているかを一緒に見る

実際に試した内容と、渡した資料を見ながら原因を切り分けます。手当てして続けるか、別の業務に替えるかまで整理します。

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AIの精度についてよくある質問

どのAIを使えばいいですか?

1つに絞るならClaudeかChatGPTのどちらかで十分です。精度の差より、渡し方の差のほうが結果に効きます。複数を並行して比べるのは、渡し方が固まってからにしてください。比べる前提が揃っていないと、どちらが良いかも判断できません。

プロンプトを工夫すれば解決しますか?

ある程度は改善しますが、元データが読めていない場合はプロンプトでは直りません。まず渡している資料が機械にとって読める形かを確認してください。スキャンしたPDFを渡していた、というのはよくある原因です。

無料版と有料版で精度は変わりますか?

扱える分量と使えるモデルが変わるので、長い資料を扱うなら有料版のほうが安定します。ただし「無料版だから精度が出ない」と決めつける前に、渡し方の4点を先に見直したほうが原因にたどり着きます。

社内の誰も正解を判断できない業務はどうすればいいですか?

その業務はAIに任せる前段階にあります。正解を判断できないということは、今も属人的に処理されているということです。まず判断基準を書き出すところから始めてください。それ自体が引き継ぎの資産になります。

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泉

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に、累計40社以上の支援に携わる。

運営は株式会社SalesDock(大阪市中央区本町)。中小企業向けに、AI内製化(初期構築15万円+月額10万円・90日)と、 そのあとのAI顧問(月額5万円・6ヶ月契約から)を提供しています。価格は税別です。 大阪・関西を中心に、オンラインで全国からのご相談に対応しています。

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この記事の数値について

本文中に一次資料へのリンクがある数値は、リンク先を出典としています。 リンクのない業務設計、判断基準、実務上の目安は、SalesDockが累計40社以上の支援と自社運用で得た知見を一般化したものです。 個別企業での成果を保証する数値ではなく、条件によって変わります。

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