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不動産

賃貸管理の修繕対応をAI化する—受付・業者手配・オーナー報告・履歴管理

賃貸管理の修繕1件を、受付、緊急判定、業者手配、オーナー承認、完了報告までつなぐAIワークフローと履歴列、測定項目を解説します。

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この記事の範囲:賃貸管理AIの用途全般ではなく、修繕1件が受付→業者手配→オーナー承認→完了報告へ進む状態遷移と履歴列だけを扱います。

AIへ渡す前に、修繕1件の現在地を一つにする

入居者から「キッチン下が濡れている」とLINEが届き、担当者が協力会社へ転送、口頭でオーナー承認を取り、写真は別のチャットに残る場面を考えます。AIが文章を整えても、誰の回答待ちか、発注済みか、完了報告済みかが分からなければ漏れは減りません。

2026年7月24日のCrowdWorksには、社員18名の企業が、修繕の協力会社手配、オーナー報告、履歴管理をLINE・生成AI・スプレッドシートで接続するサービスの立ち上げ人材を募る案件が掲載されました。これは需要の一例であり、記載された規模や応募状況を成果・一般相場の根拠にはしません。

状態は7つ、責任者は各状態に一人

状態必須記録次へ進める人
受付症状・場所・発生時刻・写真担当者が緊急度を確認
確認中契約範囲・過去履歴・入居者予定管理担当が対応方針を決定
見積待ち業者・訪問候補・依頼内容業者回答を記録
承認待ち見積・負担区分・期限オーナーまたは権限者が承認
手配済み作業日時・入室方法・連絡先担当者が発注を確定
完了確認作業報告・写真・請求担当者が完了判定
報告済みオーナー報告・費用・再発有無履歴を固定して終了

国土交通省は、管理受託契約の締結前に具体的な管理業務の内容・実施方法、報酬等を説明すること、締結後は委託者へ業務実施状況を定期報告することを示しています。AIが契約範囲や費用負担を推測して発注してはいけません。物件ごとの契約条件と承認権限を参照し、人が判断した事実を履歴へ残します。

AIが下書きし、人が承認する場所

  • 受付:自由文の要約、不足項目、緊急確認の候補を出す。緊急度は担当者が確定
  • 手配:業者向け依頼文と過去履歴を出す。業者選定と送信は担当者が実行
  • 承認:見積差分とオーナー向け説明を下書き。負担区分と承認は権限者が決定
  • 完了:写真・報告から完了文を作る。施工完了と請求一致は担当者が確認

承認設計の基本はAIワークフローの人間承認、入居者からの受付項目は入居者対応標準化の記事も参照してください。

履歴列は上書きせず、判断を追えるようにする

  • 修繕ID、物件・住戸、受付日時、受付経路、申告者
  • 症状原文、AI要約、写真URL、不足項目、緊急度と確定者
  • 現在状態、担当者、次の期限、待っている相手
  • 業者、見積版、金額、作業範囲、訪問候補
  • 承認者、承認日時、回答原文、条件、送信者
  • 完了日時、作業報告、完了写真、請求、オーナー報告日時
  • 変更日時、変更者、変更前後、理由、AI出力の確認者

個人情報保護委員会のガイドラインに沿い、入居者・オーナー・業者の情報は利用目的を特定し、必要な人だけが閲覧できるようにします。生成AIへ送る項目も目的と契約に照らして絞ります。

来週の一歩:直近1件を状態表へ戻す

  1. 直近で連絡が往復した修繕1件を選ぶ
  2. LINE、メール、電話メモ、写真から時系列を再構成する
  3. 7状態のどこで止まり、誰の判断を待ったか印を付ける
  4. 必須列だけの台帳を作り、AIは要約と文面下書きに限定する
  5. 次の1件で、承認なしに状態が進まないことを確認する

before / afterで測る

  • 受付から一次確認、業者手配、承認、完了までの時間
  • 必須項目の空欄率、再確認回数、期限超過件数
  • 見積・発注・請求の差異と、承認履歴がない件数
  • オーナーから進捗確認を受けた件数、報告作成時間

よくある質問

修繕対応のどこからAI化すべきですか?

まず受付文の要約、必須項目の不足検知、業者・オーナー向け文面の下書きから始めます。緊急判定、費用承認、発注、完了判定は責任者を明確にして人が確認します。

LINEとスプレッドシートだけでも始められますか?

小さな検証はできますが、個人情報の利用目的、閲覧権限、誤送信、同時更新、監査履歴、障害時の代替手順を先に決めます。道具より一件の状態遷移が先です。

オーナーへの承認依頼には何を入れますか?

物件・住戸、症状、緊急性、現地確認結果、業者、作業範囲、金額と前提、回答期限、未承認時の扱いを入れ、回答者と日時を履歴に残します。

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に30社以上の業務改善に携わる。

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