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AI活用入門 · 公開 · 9分で読める

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DifyでAIエージェントを作るには?問い合わせの回答案で考えるWorkflowとの使い分け

結論:Difyでは、決まった手順をWorkflowに置き、調べ方を選ぶ部分でAgentを検討します

DifyでAIエージェントを作るには、モデル、利用できるツール、指示、入力を設定します。問い合わせの回答案を作る場合は、不足項目の確認など決まった処理をWorkflowに置き、内容に応じて調べ方を変える部分をAgentへ任せる構成が候補です。

  • 毎回同じ資料を検索して回答案を作るなら、Agentを使わない構成も選べます。
  • Agentへ渡すツールは業務に必要なものに絞り、根拠がない場合や取得に失敗した場合の出口を決めます。
  • 試作では回答が出ることだけでなく、人が照合できることと、処理を続けてはいけない場面を確認します。

問い合わせへの回答案を作れても、参照資料が古い、必要な条件が抜けている、結局責任者が全部調べ直す。それでは受付担当の手間を移しただけになってしまいます。Difyを検討するときは、どの処理をAIが選び、どこを決まった条件で進めるかを分けると、自社で用意するものが見えてきます。

この記事は、2026年9月11日に確認した公式仕様と、法人サービスの問い合わせを扱う架空の設計例です。Dify上での実行結果や顧客事例ではなく、画面操作や動作の再現を保証する手順書でもありません。導入全体の順番は中小企業のAI導入 完全ガイドをご覧ください。

DifyのAgentとWorkflowは、何が違うのですか?

Workflowは、入力、検索、AIによる文章作成、条件分岐などをつなぐ流れです。その中でAgentを動かすこともできます。両者を別製品のように選ぶのではなく、流れのどの部分でAIによるツール選択が必要かを考えます。

公式資料のclassic Agentノードでは、モデル、使えるツール、指示と文脈、処理対象のQueryを設定します。モデルがツールを選び、結果を見ながら処理を進めます。繰り返し回数の上限も設定できますが、上限を決めただけで回答の正しさが保証されるわけではありません。出典:Dify Docs「Agent」

同じ公式ページには、新しいAgentのベータ版も記載されています。以下はclassic Agentを前提にした比較です。ベータ版の保存済みAgentや出力の指定方法を、従来型の設定と混ぜていません。実装時は利用環境に表示される方式と対応モデルを確認します。

たとえば、問い合わせのたびに同じサービス資料を検索し、その結果で回答案を作る場合です。DifyのKnowledge Retrievalノードは、指定したナレッジを検索して結果を後続のLLMなどへ渡します。検索のために必ずAgentを挟む必要はありません。出典:Dify Docs「Knowledge Retrieval」

この構成なら、検索する資料、検索結果の確認、回答案の作成という順番を決められます。問い合わせに応じて別のツールを選ぶ必要がないなら、まずこの流れで足りるかを確かめます。

一方、途中の結果を見て、サービスのFAQを調べるか、申込手順を調べるかを変えたい場合は、Agentが候補です。ただし、その選択も固定の分類と分岐で表現できるなら、両方を比較します。Agentのほうが必ず正確で速いとは考えません。

架空例:問い合わせを受け、回答案と未確認事項を返します

架空の法人サービスに「来月から利用したい。申込後は何を準備すればよいか」という問い合わせが来た場面を考えます。入力は対象サービス、相談文、希望時期です。「来月から」は希望であり、契約済みの開始日として扱いません。

完成させるのは、受付担当が確認する回答案です。顧客への自動送信、申込の確定、CRMの更新は含めません。試作用の入力には架空の名称を使い、顧客の実名、メールアドレス、契約情報は入れません。

架空の受付業務とDifyの構成候補
処理候補となる部品今回決めること
問い合わせの入力User Input対象サービスと相談文を受け取ります。実名や連絡先は試作用の入力に含めません。
必須欄の確認If-Else対象サービスが空欄なら、必要な確認事項を返して終了します。
参照先が固定の検索Knowledge Retrieval指定した資料を検索し、回答案を作るLLMへ結果を渡します。
参照先の選択が必要な調査classic Agent許可した検索ツールの中から必要なものを選ぶ構成を検討します。
回答案の受け取りOutputと人の確認回答案、参照資料、不明点を返し、担当者が原文と照合します。

この表の検索処理は選択肢です。固定検索とAgentを必ず両方直列につなぐという意味ではありません。まず固定検索で試す構成と、調べ方をAgentに選ばせる構成を分けて検討します。

不足項目は、検索前に返します

対象サービスが空欄なら、もっともらしいサービスを補って検索を始めず、確認事項として返します。If-Elseノードでは、値の空欄や一致などを条件に経路を分けられます。ただし、値が入っているだけで正しい入力とは限らないため、利用できるサービス名かも別に確認します。出典:Dify Docs「If-Else」

ツール名と説明は、参照する資料の違いが分かる形にします

Agentを使う案では、「サービスFAQ検索」と「申込手順検索」という仮想のツールを考えます。これはDifyの標準搭載名ではなく、自社の参照先を整理するための例です。前者は利用条件の説明、後者は申込後に用意するものを調べる、と担当範囲を記述します。

ツールの説明とともに、入力に必要なサービス識別子、返す資料の版や該当箇所、取得できなかった場合の結果を決めます。画面上でツールを追加できても、接続先のAPIや権限が用意されているとは限りません。連携部分の確認は別に必要です。

回答案の形をそろえ、根拠がない部分を残します

受付担当へ返す項目は「回答案」「参照した資料と箇所」「未確認の条件」「人に確認してほしいこと」に分けます。これは今回の出力設計であり、Difyが標準で内容を検証してくれる項目ではありません。

架空の手順書に準備物の説明があり、開始日に関する記載がなければ、準備物の回答案と「来月開始が可能かは担当者への確認が必要です」という未確認事項を分けます。「準備物が分かったので来月開始できる」と結論を広げないようにします。

また、AgentにJSON形式で出力するよう依頼しても、形式と値が常に正しいとは限りません。後段で条件分岐へ使うなら、必要な欄が存在するか、値が許可された範囲かを検証します。人が原文と照合する前に、出力を契約条件や確定情報へ変換しないことが大切です。

試作では、回答できない入力も確認します

次の表は、試作で確認したい期待結果の例です。動作確認済みの結果ではありません。自社で検証するときは、使った入力、資料の版、実際の出力、修正した箇所を同じ記録へ残します。

架空入力で確認する期待結果
試す入力・状態期待する結果
対象サービスが空欄検索を始めず、対象サービスの確認が必要と返します。
資料に回答がない確約する文面を作らず、不明点を担当者へ返します。
検索ツールが失敗検索結果なしと区別し、取得に失敗した事実を残します。
古い資料と新しい資料が混在版と対象範囲を示し、確定できない内容を人へ返します。
価格の確約やメール送信を要求回答案の作成範囲を超える操作を行いません。

とくに、資料に答えがない状態と、検索ツールが失敗して読めない状態は分けます。前者は業務担当への確認、後者は接続や権限の確認につながるためです。繰り返しの上限で終了した場合も、調査が完了した回答として扱わないようにします。

固定WorkflowとAgentを比較する際は、同じ架空資料と質問を使います。必要な情報の欠落、根拠のない記述、人が修正する時間、処理時間と利用量を記録します。文章が自然かだけでなく、受付担当が確認を終えられるかで判断します。

プレビューの記録と、運用中のLogsを分けます

公式資料では、WorkflowとChatflowのPreviewやTest Runは通常のLogsに含まれません。試作後に一覧から追えるはずと思い込まず、入力と結果を別に保存します。運用中のWorkflowのLogsでは、入力と出力、状態、トークン使用量、ノードごとの処理を確認できます。出典:Dify Docs「Logs」

利用環境やプランによる保持条件も確認します。実際の問い合わせを扱う段階では、ログに顧客情報が残る範囲と、閲覧・保管・削除を担当する人を決めます。運用まで見据えた試行の進め方は、AIエージェントを小さく試して本番へ進める手順で整理しています。

DifyのAIエージェントでよくある質問

DifyのWorkflowにAgentを入れれば、すべて自動化できますか?

Agentを入れるだけで業務が完結するわけではありません。使えるツール、入力の形式、エラーの出口、人が確認する範囲を別に決めます。この記事の架空例では回答案の作成までを対象とし、顧客への送信や契約条件の確定は含めていません。

資料を検索して回答するだけでもAgentが必要ですか?

必須ではありません。参照する資料と処理順が決まっていれば、Knowledge Retrievalで検索し、LLMへ結果を渡す固定の流れが候補になります。結果に応じて調べる道具や順序を選ぶ必要があるかで、Agentを加える意味を判断します。

ノーコードなら、自社のシステムへすぐ接続できますか?

画面で処理を組めても、接続先のAPI、認証、参照権限、入力形式が合うかは確認が必要です。必要な連携が既存ツールで用意できない場合は、接続部分の開発も検討します。ツールを選べることと、自社のデータを正しく扱えることは分けて確かめます。

プレビューで成功したら、本番へ進めてよいですか?

正常な入力だけでなく、必須項目の欠落、検索結果なし、取得失敗、資料の食い違いも確認します。公式資料ではWorkflowとChatflowのPreviewやTest Runは通常のLogsの対象外なので、試作時の入力と結果は別に記録します。画面で一度回答が出たことだけでは、業務の検証完了にはなりません。

入力と確認の方法を整理するところから始めます

来週の一歩として、架空の問い合わせをひとつ用意し、必須欄、参照資料、回答できない場合の出口を紙に書いてみてください。ここが決まれば、Difyで組む部分と、自社の業務として先に決める部分を分けやすくなります。

資料「業務設計の検討例」では、月次資料の確認と書式合わせという別業務の架空例で、入力の意味や人の照合を練習できます。全10ページ、任意25分の実践付きです。Difyの設定ファイルや問い合わせテンプレートを配布する資料ではありません。

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SalesDockでは、業務・データ・システムの接続と運用定着を支援しています。自社の受付票や確認手順をもとに整理したい方は、無料相談を申し込む(60分)

泉 款太(いずみ かんた)

株式会社SalesDock 代表取締役

慶應義塾大学法学部卒。スタートアップ、ラクスル、リクルート(SUUMO)を経て2025年に独立。 中小企業の経営・営業・業務・データをつなぐ事業基盤の設計と実装を支援。 不動産・製造業・クリニックを中心に、累計40社以上の支援に携わる。

運営は株式会社SalesDock(大阪市中央区本町)。中小企業向けに、AI内製化(初期構築15万円+月額10万円・90日)と、 そのあとのAI顧問(月額5万円・6ヶ月契約から)を提供しています。価格は税別です。 大阪・関西を中心に、オンラインで全国からのご相談に対応しています。

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この記事の数値について

本文中に一次資料へのリンクがある数値は、リンク先を出典としています。 リンクのない業務設計、判断基準、実務上の目安は、SalesDockが累計40社以上の支援と自社運用で得た知見を一般化したものです。 個別企業での成果を保証する数値ではなく、条件によって変わります。